キャロウェイのXフォージドアイアンは、2007年の初代モデル以来、プロゴルファーやアマチュア上級者に愛され続けている人気シリーズです。
この記事では、Xフォージドの歴代モデルの特徴や進化、関連モデルとの違いについて詳しく解説します。
Xフォージドの歴代モデルと具体的な進化
キャロウェイのXフォージドアイアンは、2007年の初代モデルから現在に至るまで、具体的な改良を重ねてきました。
以下、歴代モデルの特徴と具体的な変更点を詳しく説明します。
2007年モデル – 初代Xフォージド
- オーソドックスなキャビティバック設計を採用
- 1020カーボンスチール(軟鉄)を使用した鍛造アイアン
- クラシカルな形状と薄めのトップライン
- プログレッシブオフセットデザインを採用し、ロングアイアンほどオフセットを大きく設定
2009年モデル
- ソール幅を若干広げ、バウンス角を調整してダフリを軽減
- フェース厚を薄くし、重心距離を長くすることで飛距離性能を向上
- キャビティ部分のデザインを変更し、重心位置を最適化
2011年モデル
- ソール後部に「ブレード・ソール」を採用し、抜けの良さを改善
- フェースの溝(グルーブ)をCC(コンフォーミング・クラブ)グルーブに変更し、スピン性能を向上
- キャビティバック部分のデザインを変更し、重心位置をさらに最適化
2013年モデル
- 「ショートホーゼル」を採用し、重心位置を低くすることで打ち出し角を向上
- フェース中心部を薄く、周辺部を厚くする「パワーフレーム」構造を採用し、飛距離性能を向上
- ソール幅をさらに最適化し、様々なライからの打球を容易に
2018年モデル
- 「360フェースカップ」技術を採用し、オフセンターヒット時の飛距離ロスを軽減
- 「マイクロステップフェース」を採用し、スピン性能を向上
- ソール形状を改良し、「プレシジョンソール」を採用することで抜けの良さを向上
2024年モデル
- 「トライレベルソール」を採用し、様々なライからの抜けの良さを大幅に向上
- フェースの溝(グルーブ)の本数を増やし、スピン性能をさらに向上
- 「ダイナミックソールデザイン」を採用し、ソールの接地面積を最適化
- 軟鉄鍛造の一枚物としての特性を維持しつつ、打感をさらに改善
これらの具体的な進化により、Xフォージドシリーズは各世代で以下のような改善を実現しています:
- ソール形状の最適化:初期モデルから徐々にソール形状を改良し、2024年モデルでは「トライレベルソール」を採用することで、様々なライからの抜けの良さを大幅に向上させました。
- フェース設計の改良:2018年モデルで採用された「360フェースカップ」技術や「マイクロステップフェース」、2024年モデルでのグルーブ本数の増加など、フェース設計を継続的に改良し、飛距離性能とスピン性能を向上させています。
- 重心位置の最適化:2013年モデルの「ショートホーゼル」採用や2021年モデルのタングステンウェイト内蔵など、各世代で重心位置を最適化し、打ち出し角や操作性を向上させています。
- 打感の改善:2021年モデルで採用された「ウレタンマイクロスフィア」など、打感と打音の改善に継続的に取り組んでいます。
- 軟鉄鍛造の特性維持:全モデルを通じて1020カーボンスチール(軟鉄)を使用し、鍛造による一枚物の特性を維持しつつ、最新のテクノロジーを取り入れています。
これらの具体的な進化により、Xフォージドシリーズはプロゴルファーからアマチュア上級者まで幅広いプレーヤーに支持される人気モデルとなっています。
各世代で性能が向上しつつも、軟鉄鍛造アイアンとしての基本的な特性を維持していることが、長年にわたる人気の秘訣と言えるでしょう。
Xフォージド歴代モデルの評価
以上のように、Xフォージドシリーズは、歴代モデルを通じて以下のような高い評価を得ています:
- 優れた打感と操作性
- 安定した飛距離性能
- ソールの抜けの良さ
- プロゴルファーからの信頼
特に2013年モデルと2024年モデルは、多くのプロゴルファーやアマチュア上級者から高い支持を得ています。
キャロウェイ XフォージドとXフォージドスター、APEXのちがい
XフォージドとXフォージドスターの比較
ヘッドサイズと寛容性
Xフォージドスターは、Xフォージドよりもヘッドサイズがやや大きく、寛容性が高くなっています。
これにより、ミスヒット時のパフォーマンス低下を抑えることができます。
ロフト角と飛距離性能
Xフォージドスターは、Xフォージドよりもロフト角が立っており、より飛距離性能を重視した設計になっています。
しかし、両モデルとも軟鉄鍛造の優れた打感を維持しています。
XフォージドとAPEXシリーズの違い
開発コンセプト
Xフォージドは日本・アジア市場を重視して開発されているのに対し、APEXシリーズはグローバル市場向けに開発されています。
キャロウェイジャパンのプロダクトを統括する 茂貫太郎 (アジアプロダクトマネジメントシニアマネージャー)は、「APEXがパフォーマンス重視で複合化していく一方、日本ツアーではワンピースの軟鉄鍛造アイアンにニーズがある」と述べています。
出典:https://www.callawaygolf.jp/jp/news/product_news/240307?t
構造と素材
Xフォージドは一枚物の軟鉄鍛造アイアンであるのに対し、APEXシリーズは複合素材を使用したモデルもあります。
これにより、それぞれ異なる特性と打感を実現しています。
茂貫氏は、「同じ軟鉄鍛造でも複合と一枚物では打感が違う」と説明しています。
2024年モデルの特徴と進化
トライレベルソールの採用
2024年モデルの最大の特徴は、トライレベルソールの採用です。
このソール形状により、様々なライからの抜けの良さが大幅に向上しました。
プロゴルファーの西村優菜は、「どんな芝質でもプレーしやすい」と評価しています。
出典:https://www.alba.co.jp/articles/category/gear/post/lh0fry3i0/?t#google_vignette
フェース設計の改良
2024年モデルでは、フェース設計も改良されています。溝の本数が増加し、スピン性能が向上しています。
これにより、より正確なショットコントロールが可能になりました。
打感と操作性の向上
軟鉄鍛造の一枚物としての特性を維持しつつ、打感と操作性が更に向上しています。
茂貫氏は、「日本人やアジア人のきめ細かな感覚を大事にして、形状や打感などディテールにこだわって作り上げた」と述べています。
グローバル市場での評価
当初は日本・アジア市場向けに開発されたXフォージドですが、グローバル市場でも高い評価を得ています。
茂貫氏によると、USPGA、USLPGA、DPワールドツアーのプロゴルファーからも「正に求めていたアイアンはこれだ」という反応があったそうです。
全米女子プロゴルフ選手権優勝者のイン・ルオニンや、APEXアイアンから乗り換えたローズ・チャンなど、多くの海外プロゴルファーがXフォージドシリーズを使用しています。
キャロウェイ Xフォージドの歴代モデルの総括
キャロウェイのXフォージドアイアンは、2007年の初代モデルから現在に至るまで、常に進化を続けてきました。
軟鉄鍛造の一枚物としての特性を維持しつつ、最新のテクノロジーを取り入れることで、プロゴルファーからアマチュア上級者まで幅広いゴルファーのニーズに応えています。
2024年モデルでは、トライレベルソールの採用やフェース設計の改良により、更なる性能向上を実現しました。特に抜けの良さと操作性の向上は、多くのゴルファーから高い評価を得ています。
また、日本・アジア市場向けに開発されたXフォージドが、グローバル市場でも高い評価を得ていることは特筆すべき点です。
これは、日本人開発チームのきめ細かな感覚と技術力が世界に認められた証と言えるでしょう。
Xフォージドは、軟鉄鍛造アイアンの魅力を最大限に引き出しつつ、現代のゴルファーのニーズに応える高性能アイアンとして、今後も進化を続けていくことが期待されます。
以下の記事を参考にしています
1. やっぱり1枚モノの軟鉄鍛造!キャロウェイ『X FORGED/同STAR/同STAR+』アイアン、4月上旬デビュー
2. 【歴代全モデル集合】キャロウェイXフォージドアイアン2024を試打レビュー!
3. フィーリングで選ぶか?飛距離で選ぶか?キャロウェイ最新「X FORGED アイアン」「X FORGED STAR アイアン」 – スポーツナビ
4. X FORGEDアイアン vs APEX CBアイアン|操作性と打感の違いを徹底比較 | fiveのキャロウェイゴルフ情報サイト
5. 「求めていたのは、この打感」欧米ツアープロも欲しがるキャロウェイの日本企画モデル「X FORGEDアイアン」 | キャロウェイゴルフ公式サイト